LINEヤフーコミュニケーションズは、2026年3月以降に入社する新卒・中途社員を対象に、入社時研修で「生成AI研修」を必修化すると発表しました。プロンプトのテクニックではなく、「思考設計」から学ぶ独自プログラムが注目されています。
「プロンプトから始めない」研修とは
同社のプログラムは、目的・前提・制約・評価観点を整理する「思考設計」と「問いの立て方」をまず学び、その後に業務シーン別の実務演習(プロンプト作成を含む)へ進む構成です。生成AIを単なる作業効率化の手段にとどめず、実務で価値を生み出すための基礎力を身につけることを目指しています。
プログラムの3つの柱
①AIを「相棒」にするマインドセット——AIの特性を正しく理解し、AIと一緒に「考える力」を育てる土台を築きます。AIは確率に基づく予測で回答するため、最終的な「意味づけ」や「価値判断」は人間の役割であることを学びます。
②アウトプットの質を高める「思考の設計」——AIに全面的に任せるのではなく、目的や背景、制約条件を言語化して伝える思考設計の重要性を習得します。
③業務シーンごとの演習——議事録作成、メール作成、アイデア出しなど、日常業務に即したシーンでAIの活用方法を体験します。
入社早期の環境が活用習慣に与える影響
同社の調査(2025年12月、全国の会社員22〜28歳 n=527)では、「入社時点で生成AIを業務で利用できた人」と「入社後に利用可能になった人」を比較したところ、上司提出資料・メールを生成AIで「ほぼ毎回チェックしてもらう」割合は、前者が後者の約4倍という結果が出ています。入社初期の利用環境と活用習慣の定着には関連がある可能性が示唆されています。
企業のAI研修設計への示唆
「生成AIを使える人材」ではなく「生成AIを使って価値を生み出せる人材」の育成を掲げる同社の取り組みは、入社時研修で思考設計から教えることで、早期の活用定着と本質的な価値創出を両立させようとするものです。自社のAI研修を設計する際の参考になる事例といえます。
AI研修.jpの実務視点
当社でも、単にプロンプト例を配布するだけでは現場定着しにくいケースを多く見ています。実務で成果を出すためには、まず「何を改善したいか」を部署ごとに言語化し、評価基準をそろえたうえで演習に入る設計が有効です。とくに管理職・現場リーダーが同じ基準でレビューできる体制を作ると、研修後の活用スピードが上がります。
研修設計の考え方はAI研修プログラムでも紹介しています。自社に合わせた設計が必要な場合はお問い合わせからご相談ください。
参考:入社時研修で「生成AI」を必修化 プロンプトから始めない独自プログラムを新設(LINEヤフーコミュニケーションズ プレスリリース)
